修復のお教室では「接着剤はつけすぎてはいけないよ。」というふうに教えておりますが、よくあるパターンで、つけすぎちゃって、ぶちゅぶちゅっとはみ出ているケース。
ご家庭で直そうとおもって、やっちまったなぁ~というのを、わたしも依頼品の数々で拝見しております。
それをツタンカーメンのはずれたヒゲを修復するときに学芸員さんがやってしまったという・・・。
なんともお騒がせなニュースです。(笑)
http://www.afpbb.com/articles/-/3037561
1月頃に話題になっていたようですが、8月に展示が中止、再修復へ向けた動きとなり、またニュースに浮上してきていたみたいなので、生徒たちへの注意喚起(笑)でブログに掲載しておきます。
ナリタ先生がワイドショーの報道で見たときは
(笑) ヤバイとおもた学芸員は、博物館にある接着剤を使用すると自分がやってしまったことがバレるとおもって、(多分ホームセンターかどこかで)買ってきた強力な接着剤を使用した。
(笑) 接着剤がぶちゅぶちゅにはみ出ていたのをお客さんが発見してこの事件が発覚した。
(笑) あせりすぎた学芸員は接着剤をつけすぎただけでなく、ヒゲがビミョーな角度にずれてしまっている。
(笑) あまりに強い接着剤でつけすぎたため、外すことができず、その外す薬品をドイツに空輸で取り寄せている。
ということでした。
「可逆性」(reversibility)つけたら、再び除去することができなくてはいけない。(モノを傷めずに)という修復の大原則をぶっとばして、保身に走ったために悲劇が起こってしまったということです。
文化財を取り扱う人は文化財に自分をすべてささげるくらいの気持ちがないとダメかと思います。
いやいや、人のふりみてわがふり直せ。自分も気を付けたいと思います。
うーん。ぶちゅぶちゅはやらないですけどね。