京都工業繊維大学美術工業資料館が所蔵する、浅井忠の梅図花生を1年前に全面修復して納品いたしましたが、京都工業繊維大学では、アートマネージャー養成講座というのをやっておられるそうで、学芸員を目指す人向けにより実践的なことを学んでもらうという…なかなか興味深い場を提供されています。
私は今回、陶磁器の修復ということで、学生さんたちの前で、梅図花生の修復について話す機会をいただきました。参加者16名。ほとんどが関西周辺の大学院生だそうですが、学芸員の資格を持っていることが受講の条件だそうなので、みんなそれなりに勉強していらっしゃいます。
もうお一方、表具師の関戸氏も講義をされました。
一般向けの軽いトークは、アンティークモール銀座さんがらみのイベントでたまにやらせてもらってはいますが、それなりに勉強されている方向けというのは初めてだったかもしれません。
学芸員を目指す人といっても、やはり陶磁器の修復というのは、ほとんど知識がないに等しいと考えて、基礎知識から、カラーフィルとはなんぞやという紹介を交えて、梅図花生の修復がどのように進められたかを説明してみようと…持ち時間、60分!正直言って、私の中で60分の原稿を作るのは、かなり苦労しました。
時間はオーバーしない。短め!(笑)にこしたことはありません。聞いてて疲れてきちゃいますからね。
時間はOKだったと思います(笑)
内容は原稿作っても、あっちに飛び、こっちに飛び…。原稿を丸読みというのもつまらないとは思いますが。なかなか人前で話すのは難しいですね〜。
講義後に生徒さんとお話しする時間もあり、陶磁器の修復技法は、金継ぎ以外にもあるんですね!と、…そういう感想を聞いて、やっぱり嬉しかったし、この学芸員のタマゴさんたち16名に、カラーフィルのことを伝える貴重な機会をもらったことは何よりでした。
表具師さんの世界のお話しは、また陶磁器の修復の世界とは違って、興味深かったなあ…。
掛け軸とか好きになれそう…実は、掛け軸は良さというのでしょうか、どういう風に鑑賞したらよいか…あんまりわからなかったんです。その魅力が。
掛け軸を通して、その描いた人の世界を観ること。そして自分と向き合うこと。とおっしゃっておられました。
そして周りの表装次第で、絵が生きたり死んじゃったりする…というのも独特な世界です。
表装の周りの布のことを、例えて…「人間もいいお洋服着せたら良く見えるでしょう。」だから、大切なんですよ。センスが必要なんですよ。と。
講義をしに行ったといいつつ、講義も受けてこれて、ちょっと楽しい京都出張でした。

私の憩いのスポット。新幹線ホームに向かう階段の脇にいる、舞妓のミドリちゃんと。(名前は勝手に付けた)
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