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Conservation of Ceramics and Related Material 


陶磁器修復の基礎知識

陶磁器の修復法には「金継ぎ(金直し)」と「共継ぎ(共直し)」の2種類があります。当工房の講習会で教えているのは「共継ぎ(共直し)」の技法です。

歯医者さんの例が一番わかりやすいかとおもいますが、歯が欠けた場合、金歯で直していくのが「金直し」、歯の色にあわせて白い歯で直していくのが「共直し」といえます。白い歯といっても微妙な色加減があるので、その色をあわせなくてはいけません。

「金継ぎ」はカルチャーセンターなどでも習うことができ、もしかすると金継ぎした品をお持ちの方、または見かけた方も多いかとおもいますが、これは日本古来の陶磁器修復方法で、「漆」で継いで(接着して)その漆の表面に「金」を蒔き(ふりかける)仕上げる、というやり方です。どんな色の器でも直したところは「金色」です。ものによっては違和感がでます。でも、そこを違和感といわず「景色」とみたてて鑑賞するのが金継ぎの特徴でしょうか。

それに対して当工房で教えている、共継ぎの中でも「カラーフィル」という技術は、イギリスで発達した技法で、まだまだ日本では珍しいおもいますが、樹脂を顔料で着色して、欠けた部分を補填してやるという方法です。色を合わせますので、破損箇所がほとんどわからなくなります。ナチュラルな仕上がりになるので、違和感なく器と接することができるようになるでしょう。

カラーフィルの技術は和洋問わず、どんな陶磁器にも対応することができ、審美的にナチュラルな結果が出せるというのが、なによりの長所だと思います。ただ、土鍋のように直接火にかけるもの、熱湯を入れるものに関しては、耐熱性の限界というものがあり、対応しきれないところはあります。また、あくまでも合成樹脂なので、直接口をつけるところはお勧めはできません。直接触れなかったり、避けられるような場所を直す場合は十分対応できます。

そのあたりは破損状況と、用途にあわせて選んでいったら、よりよい「修理・修復」ができるかと思います。

カラーフィルも金継ぎも、それぞれ、長所、短所がありますし、直したものは、やはり直したものとしてお考えになったほうがよいかと思います。ただ、「壊れたから捨てる」・・・という発想から、一歩進んで「直して大切にする」というのは、非常に大切だと思います。


カラーフィル詳細は、「蘇らせる技」のページにアップしております。

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