修復 一覧

佐賀での研修会

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平成28年度文化庁事業に「地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業」というものがありまして、その1つとして「学芸員技術研修会(主催:ふくおか博物館人材育成事業実行委員会)」を佐賀県立博物館・美術館で講師を務めました(~o~)

佐賀は十数年前に有田の九州陶磁会館に行ってみたくて、福岡経由で一度いったきりでした。そのときの感想・・・「えらい遠くへきてしまったなぁ~」でしたが、今回は佐賀市、佐賀駅ということで、福岡から特急で45分!ずいぶん近い感じがしました。

佐賀県立博物館・美術館で「カラーフィルとはこんな技術なんです」ということで、講義と実技の二本立て、丸一日ではありましたが、あっという間の・・・もちろん、自分の話しや説明には反省点多々ありますが・・・九州から集まった学芸員、文化財・陶磁器にかかわるみなさんとの時間はとても楽しく有意義なものでした。

とにかく体験してもらうことが一番だということで、各自に欠けた器をもってきてもらい、カラーフィルしてもらうことになりました。

見ているだけと、実際に手を動かして自分でやってみる。というのは、ものすごくギャップがあります。


究極は「色をあわせる」ことなんですが、合わすことって・・・・簡単そうで簡単ではなく・・・。

なかなか色があわないことに苦しむ・・・かというと、じつはそれがとても楽しいこと!ということを、感じていただけたのではないかな~と思います。

とある学芸員さんの感想 「先生の、カラーフィルが好きでカラーフィルを楽しんでいる様子が良かったです」
おお、さすがの観察力・・・だれよりも思いっきり楽しんでいたのは、自分かもしれません。

修復の世界に入って20年(学生時代もふくめて)になりますが・・・カラーフィルのおかげで、こうして佐賀にも呼んでもらえたし、あらたな出会いと交流も生まれて、ほんとうに有難いです。やっててよかったなあと。

佐賀でエネルギーをもらいました。また頑張ろう。

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いにしへの美蘇をらせる

学芸員技術研修会@九州に行ってきます

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研修会は8つのテーマで開催されるのですが、私は文化財修復(カラーフィル)を担当します。11月14日開催@佐賀県立博物館・美術館 です。募集は締め切ったようですが、すこーしお席に余裕もあるようです。

一般の方は難しいかもしれませんが、ギャラリー経営者、陶磁器に関わる仕事をされている方なら大丈夫かもしれません。ご興味ありましたらメールにて...(直前なのでダメもとで)お問い合わせ下さいませ。

museum03@ip.kyusan-u.ac.jp
ふくおか博物館人材育成実行委員会事務局 緒方


いにしへの美蘇をらせる

大きな仕事というのは・・・

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私にとって大きな仕事というのは、東京都庭園美術館の「香水塔」でありますが、いままで経験した中でとんでもなく大変で大きな仕事だったと思う。

今だから言いますが・・・・私はこの仕事をして貧乏になりました(笑)

というのも、このレベルの仕事になると、他の仕事をすべてキャンセルして、香水塔の修復だけに自分を集中させなければいけないからです。

ただ、そうなってしまいますと首がまわりませんので、やはり通常の依頼もこなしつつ。でも最小限に。ということで。

 

多分、そのときにご依頼をされた方は、なんて無愛想な工房なんだろう・・・とおもったかもしれません。

 

普段はですね、実はお客さんに会うのが大好き!!なんです。

いろんな方がいて、会えるのはお受け渡しのときだけ。

その一瞬で、その人の思いや、人生や、生き方に触れられるというのは・・・・とても貴重なことだと思っております。

 

ただ、楽しいだけに、心がザワザワしちゃうのです。

ザワザワ防止に・・・・もしかすると、お断りしてしまったものも多いかもしれません。

 

 

香水塔はそのスケールゆえに(デカイ)失敗が許されない類の修復でした。

 

普段は、失敗してもやり直して、色質感を表現していく・・・・・・・というのがセオリーなんですが。

 

大きいものは失敗すると、やり直しが非常にやりにくいのです。ですから、一発勝負をかけなくてはならず→そのためには自分の持てる能力を最高のレベルにして取り組む。

ということで、取り組む前まで、ほんとうに、何も予定を入れない。

 

集中力を高めて、いっきに仕事する!!!

 

おかげで納期に間に合いました。。。

 

ただ、ビンボーにはなりました(笑)

 

とある写真家の人とギャラリーのレセプションでお会いしてお話したのですが、その方は重要文化財クラスの美術品を撮影するという仕事をこれからする・・・ということでした。

その方から、修復依頼品をお預かりしてかれこれ3年。。。

「ちょっとぉ~あれ、どうなってる?待ってるんだけどなあ。」

と、苦笑いのごあいさつ。

じつは、かくかくしかじか、香水塔のおかげで、すべてをささげ、貧乏になり、とにかく仕事を回さなければならなかったため、あなたさまの依頼品は後回しになってしまいました。と。 

 

その写真家のかたは、どうやらこれからビンボーになるようで。(そうです、その仕事に自分をすべてささげるために)

 

私の言い訳にものすごく共感してくださっておりました。

おっと、ビンボーになる前に完成させて、私の請求書の支払いだけはしてもらわねば(笑)

 

仕事には光と影がある・・・・。

 

ちょっと、お話してみました。

 

 

 

 

今年いっぱいの教室のスケジュールをアップしました

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  • 修復

10月あたりから、カレンダーの残りが急激にさびしくなりますが・・・

今年は、仕事もプライベートもバランスよくやってこれたという充実感があります。

ゴルフのラウンド量は増えましたが(苦笑)安いコースで全行程歩き(カートなし)なので、ものすごく脚力がつきました。体力がつき疲れにくくなったなあと思います。体力があると気力も充実して、集中していい仕事ができます。それから、これからも長く仕事を続けていくために・・・(笑)

まあ、ちょっと気になるのは同業者が風の便りで「早死に」した。というのはなきにしもあらずなので、気を付ける次第でございます。

もうけすぎると、早死にするのかなあ・・・と思ったりする。(私は長生きしそう。)

 

ホームページ では今年いっぱいの教室スケジュールをアップいたしました。

若干不規則なのと、多少、変更があるかもしれませんのでご了承くださいませ。

 

 

骨董ジャンボリー 2016新春

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今年も骨董ジャンボリーに出店いたしました。かれこれ何年続いているのでしょう。私が駆け出しの頃からお世話になっております。

いつも蕎麦猪口の依頼品をたくさんくださる方がいらっしゃるのですが、てっきり業者さんかと思っていた方が、蒐集家なのだとわかりました。今回、出来上がって納品した数が10点。


「こうやってきれいにしてもらうと、ものが生きるんだよね。」


ニコニコ顏とともに、とても嬉しい言葉をいただきました。


それにしても、その方の買いっぷりは見事です。(修復のほうもです。笑)

コレクションはかなりの数をお持ちのようです。

聞くところによると、骨董ジャンボリーの初回から皆勤賞で、バジェットは通常は300万、多い時は1000万!!

福の神って、こういう人のことを言うんだ...って思いました。

福を配って、周りも自分も幸せになれる...。

そういう人のところに、またお金が集まってくるんですよ、きっと。


神様は神社仏閣だけにいるわけではないんだ...年明け早々思いました。



いにしへの美を蘇らせる

反響

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  • つれづれ, 修復

朝日新聞のbeにインタビューが掲載されて、私の歴代の恩人からわざわざ電話を頂いて、直接話す機会を得たというのは、本当に嬉しいことでした。頑張ってきて良かった。そう思える瞬間でした。

さらに、新しいご縁もたくさん頂きました。見ず知らずの...とは言ってはなんですが、私の腕を信用してくださって、依頼をしてくれる。

信用ってすごく難しい。。。だからこそ、全幅の信頼を寄せて、依頼をしてくれるお客様を本当に有難いと思います。

どちらかというと、金銭で物事決めてしまうのが手っ取り早いし、尺度も簡単です。


以前、とあるお客様から、相談をうけ、見積もりを30,000円とお知らせしました。

他社に相見積もりを出したらしく...


3,000円でやってくれるというところをみつけたんで。

というメール。


そんなこと、わざわざ報告してくれなくても。

とは思いましたが、その3,000円の修復に果たして満足されたのでしょうか。


わたしは、否だと確信しています。

そんなお客様を説得する時間より、
私のことを信用してくださったお客様のために修復をする時間を大切にしたいと思って...

でも、こんなグチっぽいことも言ってはダメかなとは思っていたのですが、たまには言っていいですか(笑)

誠心誠意、修復!

これからも、それは変わらないようにやっていきたい。と、決意あらたです。

Posted from いにしへの美を蘇らせる

東京都庭園美術館でギャラリートーク

東京都庭園美術館でギャラリートークをさせていただきました!お話ししたのは香水塔の修復についてです。修復のチャンスをもらえたのも、本当にありがたいことだと思うけれど、このギャラリートークも夢みたいなことです(自分にとって) ああ、私って幸せ者。修復での繋がり、如水会(大学同窓会)の繋がり、のコアな(笑)応援団が来てくれて、涙がでるほど嬉しかった。宣伝すれば良かったのですが、最初は25名の定員で抽選することになっていたので、知り合いばかりでもなあといったというところがあり...しかし、倍の応募があって気を良くした美術館が広い部屋に変更してくれたので100名くらいは大丈夫になったのです。もっとみんなに声かければ良かったかなぁ~と(笑)なんとか無事にやり遂げることが出来ましたという報告でした!

東京都庭園美術館でギャラリートークをします!

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  • 修復, 陶磁器

だれが・・・と突っ込まれそうですが。

私がです。

香水塔の修復についてお話します。

タイトルは・・・・

「"香水塔"を未来につなぐ:修復家からのメッセージ」 (←つけてもらいました。)

 

ほんとに、アンタがですか(笑)と言われそうですが。そうなんです。

仕事はマジメにしてます。修復のこと、修復されるモノのこと、真剣に考えてます。

 

ホームページで告知をジャンジャカすればよかったのですが、定員が25名ということで・・・・。

知り合いばっかり来ても困るなぁ・・・ということで(笑)言うに言えず。

 

しかし・・・定員25名の倍!!応募があったそうで、急きょ会場を広い部屋にして(100名入れるそうです)応募者全員に来てもらえるようにしてくださいました。

 

でも・・・申込みは締め切ったとのこと。

 

私がちょっと口をきいてあげれば入れますわよ。なんてことは、NGです。

 

勇気のある猛者は、美術館に直接交渉してください。

 

決して「サノさんが、美術館に言えば大丈夫って言ってたしぃ~」とは言わないように(笑)

 

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↓↓↓

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大阪で出店します : 素晴らしき時代マーケット 阪急うめだ

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  • 修復, 陶磁器

工房いにしへは、アンティーク骨董がお好きな方のお力になりたいと常々思っております!壊れてしまった、直したい。関西の皆さん、ぜひご相談ください。阪急うめだの催事場 ブースでお待ちしております。今回は何点でもお見積もり無料!大きなもの、重いものは、事前の相談がオススメです。阪急のサイトからお申し込みができます。


◆ 素晴らしき時代マーケット

場所:阪急阪神百貨店 9階催場

工房いにしへは:8月26日(水)27日 (木) の二日間のみとなりますのでご注意ください。

英国・フランス・アメリカ・ロシア・東欧の蚤の市で買い付けた雑貨がたくさんですので、ぜひご来場ください。

1950年・60年代のブロードウェイを飾ったコスチュームジュエリー。
毎日の食卓を彩るファイヤーキングや昭和モダンのカップ&ソーサー。
1脚で存在感あるビンテージチェア。メゾンブランドの宝飾腕時計。
懐かしの万博グッズ。70のビンテージショップから古き良きものが一堂に。

京都の名店「コロナ」の味を受け継ぐ「喫茶マドラグ」から、あの玉子サンドが味わ
える喫茶コーナーもあるそうです。


http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/jidai_market2015/index.html


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貫入とのつきあい方 【アンティーク陶磁器のお手入れ法】

  • 更新日:
  • 修復, 陶磁器

これは以前、inishie.com(工房いにしへの修復材料通販サイト) がアンティークの販売もやっておりまして、そのときにお客様からいただいた、アンティーク陶器の貫入のご相談に対して回答したものです。

ご参考になればと思って再度UPいたしました。(*^。^*)


●貫入とのつきあい方 ししまるさんの悩み

スージー・クーパーの Earthen Wareは、釉薬の部分に貫入(釉薬のひび)が入っていることがあります。全く入っていない物もあります。入っていなかったものに貫入が入ってくる・・・という問題もあります。

つまり入っていなかったものに貫入が目立つようになる。どうしてか??これはボディー(中心部のやわらかいところビスケット状になっています)と表面の釉薬(透明で堅いところ)の硬度・収縮率が一致していないことによります。

今回、「ししまるさん」よりご質問メールをいただきましたので、ご登場いただき、考えてみたいとおもいます。


質問 from ししまるさん

ハジメマシテ!
ホームページの前回のコラムを読ませていただきました。アンティーク初心者の私にはとても勉強になりました。 (食器を選ぶ点で気を付けること等。)
さて、先日(1ケ月前)やっとの思いでスージークーパーのドレスデンスプレイの紅茶カップを購入したのですが買ったときは完品だったにもかかわらず、1回使うと 2センチくらいの貫入がカップの内底に入り、それからも 2回、3回使う度にどんどん貫入が内にも外にも(絵柄部分) にもできてきて、染みになったりするので漂白したりで、もう泣きたい気分です。使い方、保存の仕方が何か間違っているのでしょうか?
私の使い方・・・普通に熱湯を注いで、カップを温め、それから再びお湯をそそいで紅茶パックをいれ、蓋をして、5分程置いて飲んでいます。飲み終えるとすぐ水で洗い(染みている場合は漂白剤を入れ30分程放置しています)、布巾で拭き、一晩放置してカップボードに保管しています。そのカップボードはガラスの戸があるので中にお水をいれた御猪口を一緒にいれて、保管しています。直射日光等は当たりません。
この方法で何かいけないところはありますか? お手入れ、保管方法で気をつける点をお教えください。貫入が見る度増えていっているのですごくすごく悲しいです。紅茶を飲むにも、染みになるんではないのか? と、いたたまれず、ゆったりとした気分でティータイムを楽しめません。
ご回答、よろしくお願いします。

回答 by CS

ホームページをみてくださってありがとうございます。もっともっと、内容が充実するようがんばりますので、これからもよろしくおねがいします。 さて・・・貫入のことですが、気になったのは、カップに直接、熱湯をそそぐということです。たしかに、最初にお湯をいれておくと、紅茶がさめないのでよいのですが、できたら、カップに直接、熱湯(100度)をそそぐのはさけられたほうがよいかとおもいます。スージーのアースンウェアはボーンチャイナ(白くて堅い)とちがって、2層から成っており、表面の堅い部分(釉薬、ガラス質)とビスケット状の柔らかい部分(ボディー、空気を含む。れんがみたいになってます。)、でできています。それを熱すると、(お湯をいれると、)その2層がそれぞれの割合で膨張するので(ボディーのがより膨張し、釉薬の部分はあまりしない)、釉薬の部分に亀裂(貫入)がはいってくるのです。ようするに、なるべく「熱」という刺激をあたえないようにしてやればいいわけで・・・。たとえば、ティーポットで紅茶をつくれば、その時点で、お湯の温度がさがりますし、ミルクティーにするつもりなら、カップに先にミルクをいれておくとか。(先にミルクをいれるイギリス人のひともけっこういるんですよ。)そうやって、なるべく、カップに熱をあたえないようにするのがよいかとおもいます。 シミは紅茶1杯のんだら、すぐついてしまいますか? わたしの体験では、貫入の入ったお皿をつかっていましたが、けっこう大丈夫でした。さすがに、紫キャベツをもったときには、しみになりましたが(笑)それでも、よーく、水洗いしたらとれました。それに、カップでも貫入のはいったものは、のんだらすぐ洗う。というようにして。 なるべくなら、漂白剤を使わないようにしたほうがいいです。もし、お使いになるのなら、その部分のみ、(漂白剤をはったたらいにカップをつけるのではなく、カップの内側に漂白剤をそそぐだけにするとか・・・。漂白剤も水でうすめたほうがよいかとおもいます。)そして、漂白したあとは、よく水洗いして、つけた時間だけ、水につけておく。(漂白剤を30分つけたら、水にも30分つける)それから、布巾でふいて・・・。というふうになります。 この点に関しては、程度にもよりますので、また、ご質問等ありましたら、メールください。 こんなこといってもなんですが・・・・、スージーのアースンウェアはお使いになるなら、(つかわないで、しまっておくならべつですが)ほとんどは、おそかれはやかれ貫入がはいってくる性質のものです。(経年貫入の問題) あまり、がっかりされないでくださいね・・・。でも、ししまるさんはスージーをとってもかわいがっているんですね。うれしいことです。 それでは。



それと、オーブン、電子レンジには絶対いれないでください。いっきに貫入がはいることもあります。

ディスプレイする場所も気をつけましょう。直射日光のあたるところはNGです。極端な乾燥、湿気もよくありません。

なんだか、ここまでくると・・・みなさんを必要以上に心配させてしまっているかもしれません・・・。「貫入を避けたい、つくりたくない」ならば・・・観賞用にするしかありません。

ただ、1930年代のアースンウエアの技術からいいますと、なにもしなくても、ほとんど貫入が入る運命だといってもいいでしょう。(※まだ入っていないものもありますが、それは今後も入らないことを保証するものではありません。)

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